不動産鑑定士の実務修習とは?
不動産鑑定士になるためには論文式試験を合格した後に、
実務修習を受け、国土交通省に登録しなければなりません!
ですので、不動産鑑定士になるつもりのない方は、
実務修習を受ける必要はありません。
この場合「不動産鑑定士試験合格者」となりますが、
鑑定評価をすることはもちろん、不動産鑑定士を名乗ることもできません!
不動産鑑定士として活躍するためには、実務修習が必要なのです!
実務修習って何をするの?
実務修習とは具体的には次のような、内容からなっています!
1、講義
2、基本演習
3、実地演習(①物件調査実地演習、②一般実地演習)
4、修了考査
このページでは、上記4つの段階について1つ1つ詳しく解説します!
1、講義
A,講義とは
不動産の鑑定評価に関する実務について、
その各段階における基礎となる知識を集合形式で修得する過程です。
講義と合わせて机上演習と確認テストも行われます。
B,日程 (※2015年度の情報)
前期(2015年12月10日~12日)
3日間
後期(2016年6月2日~4日)
3日間
計6日間
C,場所
講義会場はは東京のみです。
D,講義科目
講義の科目は以下の
①基礎的知識、②種類別鑑定評価、③技術的知識の3科目です!
具体的な内容は下記のとおりです!
- ①基礎的知識
- ・不動産鑑定士の倫理及び責任の範囲
・統計の基礎的知識
・不動産登記の概要
・土地建物に関する税金
・建築形態 ・規制と建築計画
- ②種類別鑑定評価
- ・更地
・借地権と底地
・貸家及びその敷地
・区分所有建物及びその敷地
・地代 ・家賃の各鑑定評価
- ③技術的知識
- ・収益還元法 ・開発法
E,単位認定
履修の状況、確認テストの採点結果及び修習生が提出する報告書を基に行う。
2、基本演習
A,基本演習とは
基本演習は集合形式で
鑑定評価報告書の作成において通常採用される手順を、
修習生自ら作成することにより、その内容を修得する過程です。
B,日程 (※2015年度の情報)
1段階 2日間
東京:2016年4月15日(金)・16日(土)
大阪:2016年4月22日(金)・23日(土)
2段階 2日間
東京:2016年8月19日(金)・20日(土)
大阪:2016年8月26日(金)・27日(土)
合計4日間
C,場所
基本演習については東京か大阪を選択できます!
D,演習内容
- 第1段階 類型:更地
- 標準的使用として、販売用不動産の開発素地の市場形成が認められる地域内にある更地
または標準的使用と異なり開発素地が最有効使用であると認められる更地
について、 取引事例比較法及び開発法を適用して、鑑定評価額を決定する。
必要に応じて、収益還元法を適用し、価格水準を検証する。
- 第2段階 類型:貸家及びその敷地
- 賃貸用不動産の市場形成が認められる地域内の貸家及びその敷地について、
原価法及び収益還元法を適用し、鑑定評価額を決定する。
必要に応じて、取引事例比較法を適用し、価格水準を検証する。
E,審査
各段階ごとに修習生が完成させた鑑定評価報告書および履修状況について行う
3、実地演習
A,実地演習とは
実地演習とは、不動産の鑑定評価に関する実務について、
実地において鑑定評価報告書の作成を通じて、
評価手法を修得する過程です。
実地演習は①物件調査実地演習と②一般実地演習に分かれます。
B,日程・期間
・1年コース
・2年コース
・3年コース
以上のコースによって異なります。
→詳しくはコチラ『実務修習の期間』
C,場所
実地演習機関には大学と鑑定事務所の2つの選択肢があります。
【大学修習の場合】
・日本大学理工学部駿河台校舎(最寄り駅:御茶ノ水駅)
・明海大学(主に新宿キャンパス、ただし、月に1,2回程度浦安キャンパス)
【鑑定事務所の場合】
・それぞれの鑑定事務所の指定する場所
→詳しくはコチラ『実地演習の機関』
D,内容
- ①物件調査実地演習
- 土地と建物の各1件について演習を行い、報告書を提出します
- ②一般実地演習
- 不動産の鑑定評価において採用される全ての類型を取得するための演習です。
現実に存在する不動産を題材として、指導鑑定士から指導を受けながら、
22件の鑑定評価報告書を作成します。
E,審査
①物件調査実地演習
完成させた報告書と履修状況について審査されます
②一般実地演習
提出した鑑定評価報告書と履修状況について審査されます
なお、1件ごとに修得の単元認定が行われます
4、修了考査
A,修了考査とは
修了考査は修習生がすべての過程において修得すべき技能および高等の専門的応用能力を 修得したことを確認するものです
B,日程
例年1月~2月
C,場所
修習考査の会場は東京のみです。
D,内容
修了考査は、①口頭試問と②小論文から構成されています。
- ①口頭試問
- 考査委員3名に対して受験者1名で行われます。
出題は実地演習で自分が作成した鑑定評価報告書の内容について行われます。
時間は20分~30分が標準とされています。
- ②小論文
- 小論文は、事前に提示された課題について、800字~1000字で行われます。
実務修習の修了
修了考査に合格したら、あとは国土交通省に登録することにより
不動産鑑定士になることが出来ます!!!