平成28年度からの実務修習制度の見直しについて

平成28年6月20日に日本不動産鑑定士協会連合会より
『実務修習制度の見直し』について発表がありました。
実務修習制度の見直しの概要を簡潔にまとめてみます
~実務修習制度の見直し~
1、【実務に関する講義】において現行の3科目に次の3科目を追加
①行政法規総論、②価格等調査ガイドライン、③宅地見込地の鑑定評価
また『開発法』の科目を、『原価法及び開発法』に変更する
※平成28年度・第11回実務修習から実施
2、【実務に関する講義】のeラーニング講習への移行
【実務に関する講義】についてeラーニング形式に移行する
※平成28年度・第11回実務修習から一部実施
(具体的には本年から新しく追加される3科目についてのみeラーニング形式)
※平成29年度・第12回実務修習から全科目実施
3、【基本演習】についての見直し
①類型の追加
現行:a更地、b貸家及びその敷地
見直し案:a更地、b借地権と底地、c自用の建物及びその敷地、d貸家及びその敷地、e継続賃料
②鑑定評価報告書等の作成・提出について
現行:演習期間中に作成・提出
見直し案:演習機関終了後に作成・提出
③会場について
現行:東京と大阪
見直し案:東京のみ
※実施時期:平成29年・第12回実務修習を目途に実施予定
4、【実地演習】についての見直し
①実施類型の見直し
現行:22類型
見直し案:13類型
②提出書類の見直し
現行:鑑定評価報告書及び実地演習報告内訳書
見直し案:鑑定評価報告書のみ
③提出方法の見直し
現行:簡易書留による郵送
見直し案:PCにて作成→インターネットによる提出
※実施時期:平成29年・第12回実務修習を目途に実施予定
5、【修了考査】についての見直し
①論文式考査の廃止
現行:口述式+論文式
見直し案:口述式+択一式・記述式
②再受験制度の緩和
現行:1年後
見直し案:短期間のうちに再受験できる制度の新設
※実施時期:平成29年・第12回実務修習を目途に実施予定
6、3年コースの廃止
現行の1年コース・2年コース・3年コースのうち3年コースが廃止され、1年コースと2年コースのみになります。
※実施時期:平成29年・第12回実務修習を目途に実施予定
~まとめ~
基本演習の会場が東京のみになるという改悪はありますが、その他は概ね修習生にとってありがたい内容だと思います。
講義はeラーニング、実地演習の累計は22類型から13類型に削減され、提出方法もインターネットになり、大幅に費用が安くなることが期待されますね!
ただしこれらは平成29年・第12回実務修習を目途に実施される予定です。
平成28年・第11回実務修習を受講予定の皆様にとっては何とも言えない改正です。。